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AIに仕事は奪われる?なくなるとどうなる?活用事例も併せてAIとうまく付き合う方法を解説します!

AIの進化が目まぐるしい昨今、「私の仕事もAIに奪われてしまうのではないか」と不安をお持ちではないですか?

今や日常生活の至るところにAIが活用され便利になった反面、その不安を強める方もいらっしゃるのではないでしょうか。

2015年には、「日本の労働人口の約5割がAIで代替可能になる」という研究結果も発表され話題となっています。

この記事では、この研究結果を元にAI化により無くなるかもしれない仕事・奪われない仕事・新しく生まれる仕事をご紹介しています。

また、AIに仕事を奪われないための対策についてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること
  • クリエイティブな仕事はAIには難しい
  • 単純作業やルーティン化できるものはAIに代替していく
  • AIを活用し新たな仕事・価値を見出す力が必要
  • AI化に備えて学び、スキルを磨くことが大切
目次

AIが仕事を奪うと考えられているオックスフォードの論文内容

野村総合研究所 2015年12月2日発表の論文より引用

2015年12月、「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能」というレポートがオックスフォード大学と野村総合研究所の共同研究により発表されました。

実際に日本人の労働人口の約半数がAIに取って代わられるのかは別として、技術的には10年~20年でそれが可能になる時代が来ているのです。

そんな中、「創造性・協調性が必要な業務や非定型な業務」については、将来においても人が担うであろうとされています。

この研究結果を元に、AIに仕事を奪われないためにはどうするべきか、うまく共存していくにはどうしたら良いのかを考えてみましょう。

AIに仕事が奪われるとどうなる?

考えられるのは、「経済拡大と同時に格差も拡大する」「失業者の増加により年収が半減する」といったことです。

しかし、AIに仕事が奪われるというよりは、労働力の補完や新たな仕事の創出のためにAI化が進んでいくとも考えられます。

別の調査によると、「2030年までに既存業務のうち27%が自動化され、結果1660万人の雇用が代替される可能性がある」とされていますが、それでも現在のGDP成長率を維持するだけの人口減による労働力不足は補いきれないそうです。(参考:マッキンゼーの調査『未来の日本の働き方』

そういったことを考えると、来る未来に対してちゃんと対策さえしておけば「AIに仕事を奪われるかもしれない、失業するかもしれない」と怯える必要はないのかもしれません。

では、その対策とは具体的にどういったことなのか、次章で考えてみましょう。

AIに仕事を奪われないための対策

まずはAIに関する知識を身につけ、「人間にしかできないことを考える」必要があるでしょう。

AIは、単純作業・データ分析・ビッグデータからプログラムされた回答を提案するといったことにまで幅広く活用できます。

しかし、膨大なデータを元に、プログラムされたそれらしいもの・適切と考えられるものを作り出すことはできても、全くのゼロから新しい何かを生み出すことはできません。

また、関係性の構築や相手の気持ちを理解するといったコミュニケーションスキルや臨機応変な判断・活用も、AIにはできないことです。

これらを考えると、コミュニケーションスキルを磨く、想像力・発想力・企画力といったクリエイティブなスキルを身につけるなどの対策が効果的であると考えられます。

また、AI時代においてもAIのソフトウェアを開発する人間は必ず必要とされます。プログラミング等を勉強し、今後必要とされるであろう職業に転職するのもよいでしょう。

AIの発展でなくなる可能性のある仕事の例11選

レポートに例として挙げられた職業の中から11の職業をピックアップしてご紹介します。

1.一般事務員
2.銀行窓口係
3.警備員
4.建設作業員
5.スーパー・コンビニ店員
6.タクシー運転手
7.電車運転士
8.ライター
9.ホテル客室係・フロントマン
10.工場勤務者
11.薬剤師

1.一般事務員

現在においても、紙で受けつけていたものがフォーム入力になるなどデジタル化は進んでおり、今後もさらに進んでいくと考えられます。

パソコンでのデータ入力や事務作業といった単純作業が多い一般事務は効率化・自動化しやすい職種であり、それらはAIの得意分野でもあります。

また、正確性やスピードにおいては人間よりもAIのほうが勝ること、人件費がかからないというコストパフォーマンスの観点からも企業にとってメリットが大きく、今後AIに代替されると予想されます。

2.銀行窓口係

銀行窓口係に重要視される正確性は人間よりもAIのほうがはるかに優れており、窓口業務・査定・数字や文書のチェック作業などは今後AIに置き換わると予想されます。

FinTech(金融テクノロジー)で銀行業務が合理化され、キャッシュレス化が急速に進み、送金や資産運用のアドバイス、融資の審査などがインターネット上で完結するようになりました。

現在、銀行が置かれている環境はすでに大きく変わり始めていると言えるでしょう。

3.警備員

現在、アルソックやセコムなどから警備ロボットが発売されている他、警備機能に案内機能も備えたロボットも誕生し、実際に羽田空港では2022年より案内ロボット「mini Mork」の試験運用を開始しています。

その他、AIを搭載した監視カメラでは不審者を発見するとコントロールセンターに警告を発信できるものや、巡回ルートをインプットして自動巡回する警備ロボットもあり、これらのシステムはすでに多くの施設で導入されています。

人間と違い疲れや眠気によって警備の精度が低下する心配もなく、今後はAIもさらに発達して人が警備するということが減ってくるでしょう。

トラブルを感知はしても対処はできなかったり電気系統のトラブルによる停止や破壊されるリスクもあるため完全機械化はまだまだ難しいとはいえ、かなりの割合を機械が代替していくと見られています。

4.建設作業員

今後多くの建設機械が無人化し、建設作業員の仕事は減っていくのではないかと予想されています。

実際に、画像認識AIやドローンを活用した工事の進捗状況の把握・作業員や障害物との接触を防止する検知システムの導入や、重機にAIを搭載して行う自動掘削など、現在でも様々な取り組みが行われています。

建設業界では慢性的な人手不足が深刻な問題となっていることもあり、AI活用に積極的に取り組んでいることから、今後もこの動きは加速していくものと考えられます。

5.スーパー・コンビニ店員

こちらは実感している方も多いかと思いますが、レジ打ち・在庫管理・発注業務等を行うスーパーやコンビニの店員も、AIの発達により無くなる職業と考えられています。

セルフレジは今や様々なところで導入されていますし、電子マネーが広く浸透しスキャニング技術も向上したことにより、無人コンビニの運用も試験的に開始されています。

在庫管理や天候・イベントなどによる売れ筋変化の把握等もAIの方が優れており、今後は臨機応変な判断が求められる顧客対応等に絞って人が対応していくことになるのではないでしょうか。

さらには、Amazonや楽天市場といったECサイトの普及により、小売店そのものが減るのではないかとも予想されています。

6.タクシー運転手

すでに中国には完全自動運転のタクシーが存在しており、日本でもタクシーが自動化する可能性があります。

とはいえ、現在の道路は「人が運転する」という前提で作られているものですし、自動運転に関する法整備もなされていないためまだまだ課題は多いのが現実です。

しかし今後AI自動運転の安全性が担保され、これらの課題がクリアされれば、タクシー運転手はAIが担う仕事になるかもしれません。

すでに東京都では「自動運転レーン」の先行整備に向けて動いているという話もあるようです。

7.電車運転士

モノレールやゆりかもめ、大阪のニュートラムなど、無人自動運転を導入している鉄道はすでに存在しています。

電車は決められたレールを走るため予想外のアクシデントが起こりにくく、自動運転が導入しやすい環境にあります。

現在はまだ対応できない路線が多いものの、2018年にはJR東日本が山手線の自動運転のテストを、2022年10月には実際に乗客を乗せて実証実験を行い注目を集めました。

しかし、横浜市では新交通システム「シーサイドライン」が逆走事故を起こしたという事例もあり、まだまだ課題はあるようです。

8.ライター

2022年、文学賞の「星新一賞」にAIで作成した作品が入賞日経新聞の一部ではチェックや修正に一切人が関わることなくAIが記事を作成しています。

2022年11月には生成AIチャットサービスChatGPTが登場し話題を呼びました。

ただし、AIは既存の情報を元に感情などを模倣した文章を書くことはできますが、実際に経験する・理解するといったことはできません。

AIにタスクを任せる部分と、人間にしか書けないものとで住み分けがされていくと考えられます。

9.ホテル客室係・フロントマン

ホテルの客室係やフロントマンはルーティーン業務がメインのため、AIで代替しやすいと考えられています。

すでに、長崎にある「変なホテル」ではフロント業務をロボットが行っています。

自動精算機の導入でチェックインやチェックアウトも人手が不要になり、翻訳機を利用すれば最低限の言語スキルでも海外客の対応が可能です。

また、ロビーフロアやエレベーターホールなどの共用エリアの清掃に清掃ロボットを取り入れている宿泊施設も増えており、今後ますますAIが活躍する場が広がっていくでしょう。

10.工場勤務者

オートメーション化しやすい単純作業、かつAIは人間のように疲れたりミスをすることもないことから、工場勤務者はAIで代替しやすいうえにAI化に大きなメリットがある職種だと言えます。

現在すでに、人工知能やセンサーの搭載で不良品や異物の混入を感知、検品・在庫管理などの自動化など、AIが品質や安全性の向上、コストの削減など、一役も二役も買っています。

また近年、技術の進歩とともに工場の作業工程はどんどん複雑化しており、人間の手作業では難しいことも増えてきていることから、今後はAIが広く活躍していくと考えられるでしょう。

11.薬剤師

安泰な職業と考えられている薬剤師ですが、近年の薬局界隈を取り巻く動きを見ると、効率化や自動化の影響を大きく受けるのではないかということが感じ取れます。

2014年には一般医用薬品のネット販売が可能になり、現在消費者は薬局に行かずとも医薬品を入手することが可能ですし、2023年1月26日からはマイナンバーカードと連携した電子処方箋の運用が開始しました。

マイナンバーカードに健康保険証や処方箋などを集約したマイナ保険証には、ヒューマンエラーにより「他人の情報と紐づいていた」等の問題点がまだまだあります。

しかし問題点が解消しうまく運用できるようになれば、薬の飲み合わせや重複投薬が無いかをAIが判断し、安全性の向上や調剤業務の効率化が図れるなどのメリットがあります。

こうした日本国内の動きに加えて米Amazon社がアマゾン薬局の日本進出を狙っている動きもあり、薬剤師を取り巻く環境は今後大きく変わっていくことが予想されます。

AIに仕事が奪われない職業8選

レポートに例として挙げられた職業の中から8の職業をピックアップしてご紹介します。

1.ITエンジニア
2.営業職
3.データサイエンティスト/コンサルタント
4.医者/看護師/介護士/社会福祉士
5.カウンセラー
6.教師
7.保育士
8.クリエイター

1.ITエンジニア

ITエンジニアとは、ITシステム・AI・ソフトウェア・アプリケーションなどのITインフラを企画・設計・構築・運用などを行う技術者を指します。

これらの作業の中にもAIの活用が可能で、実際に現在AIが担っている部分もあります。

しかし、マニュアル化された仕事や単純作業は人間以上の性能でこなすことができても、AIがAIを作り出す・新しいサービスをゼロから作り出すといったことは依然として不可能です。

そのため、今後AIが活躍する場が広がっていくにつれ、ITエンジニアはますます需要が増えると考えられます。

2.営業職

営業職は、顧客のニーズを引き出し商品を売るために、高度なコミュニケーション能力が求められます。

AIツールを利用してデータの分析を行い営業に活かすなど、仕事の質や効率を高めるためにAIを活用することは可能でしょう。

しかし、顧客の課題を発掘したり、顧客の要望に応じて解決案をカスタマイズするなど、人間同士のコミュニケーションの中でしかなしえないこともまだまだあります。

ニーズを読み解く力、臨機応変かつ柔軟な提案や細やかなサポートができる営業マンは、この先もまだまだ安泰だと言えるのではないでしょうか。

3.データサイエンティスト/コンサルタント

データサイエンティストやコンサルタントは、AIが集めてくる膨大なビッグデータを解析し、発想力や想像力で企業の経営課題・問題点に対しての解決案・改善策を提案する専門職です。

データ分析にはAI技術を活用するので、AIに代替されるどころかAIを活用する側となります。

AI分析やビッグデータを活用した合理的な意思決定を望む企業が増えている昨今、データサイエンティストはますます活躍していくこととなるでしょう。

4.医者/看護師/介護士/社会福祉士

医師・看護師・介護職・社会福祉士、これらはどれも高度なコミュニケーション能力、臨機応変な対応、そして思いやりが欠かせない職業です。

これらの仕事には、患者・福祉施設利用者・支援対象者の症状や様子を適切に判断し、臨機応変で細やかに対応することが求められます。

今後、事務的な作業についてはAIが負担することになっていくと思われますが、AIに診断されることの心理的抵抗感が大きいことや、人間同士だからこそ寄り添い、励まし、共感しあえる部分があることを考えると、AIが台頭する時代においても人間が活躍する分野であると言えるでしょう。

5.カウンセラー

カウンセラーがAIで代替されにくいのは、高度なコミュニケーションスキルが求められるほか、「正解が一つとは限らない」という部分にあります。

例えば、「仕事が辛くて会社に行きたくない」「配偶者が暴力をふるう」といった内容の相談があったとき、「辞めればいい・離婚すればいい」というのは、多くの人が納得できる答えかもしれません。

しかし、相談者も当然それは選択肢として考えたことがあり、それでもその選択ができない多くの理由を抱えて悩んでいるということが往々にしてあります。

一般的に正論とも思えるアドバイスが相談者を救うとは限らず、個々人に合わせて柔軟な対応をして寄り添うことが必要なカウンセラーは、AIで代替することが難しい職業と言えるでしょう。

6.教師

子供はひとりひとり個性が違いますし、生徒それぞれの良い面を引き出す、日々変化する気持ちや状況に対応するといったことが必要な教師を、AIで代替することは難しいでしょう。

また学校では勉強だけではなく、人間関係を構築したり、コミュニケーションを養う場でもあります。

デジタル学習によるデータの蓄積・個々人の正答率の傾向など、教育現場でAIを上手に活用することができれば、より個々に合った教育を提供することができるでしょう。

しかし、AIを活用はしても教師そのものがAIに置き換わるという可能性は低そうです。

7.保育士

保育の現場でもバス置き去り防止システムなどにAIが活用されてきてはいますが、保育士をAIで代替するのは難しいでしょう。

子供の動きは、特に未就学児においては予測不能で目が離せません。

また、保護者と離れることに不安感を持つ子供も多く、そういった子供に安心感を与えられるのも温もりのある人間だからこそでしょう。

仮にAIで代替できたとしても、保護者・子供共に心理的抵抗感が強いであろうことが考えられますし、データ処理や清掃などで一部代替はできても、保育は今後も人が担っていくであろうと思われます。

8.クリエイター

新しいモノ・価値を生み出すクリエイティブな発想や創造力は、AIにはない人間特有のものです。

AIは、プログラム通りに演奏したり既存のものを組み合わせることはできても、発想力と創造力で0から何かを作り出すということはできません。

人間ならではの感情を自然に表現する力や、感情に訴える何かを作り出すことは、まだまだ機械には難しいといえます。

AIによって新しくできる職業12選

AIが台頭することによって、新しく生まれる職業も存在します。

現在でも、IT技術の進化により、Vチューバ―(バーチャルユーチューバー)を生業とする方等も増えています。

1.ゲノム・ポートフォリオ・ディレクター
2.散歩・会話の相手
3.倫理的な調達(ES)責任者
4.サイバー都市アナリスト
5.人間と機械の協働責任者
6.人工知能(AI)事業開発責任者
7.BYO(個人所有機器活用)ITファシリテーター
8.エッジコンピューティング専門家
9.フィットネス・コミットメント・カウンセラー
10.AI支援医療技師
11.財務健全性コーチ
12.量子機械学習アナリスト

1.ゲノム・ポートフォリオ・ディレクター

ゲノム・ポートフォリオ・ディレクターは、AIを活用したゲノム研究や新薬の開発・販売戦略を考える仕事です。

ゲノムが持つ情報量は膨大で、本来相当な時間をかけて研究が行われていましたが、AI技術の発達により研究の時間短縮が可能になりました。

これにより、現在は今まで対応できなかった症例の研究が進められており、新たな治療法を一般消費者が安心して使用できるようにアプローチすることもゲノム・ポートフォリオ・ディレクターの仕事となります。

2.散歩・会話の相手

AIの普及により懸念されるのが、人間同士のふれあいの機会の減少です。

また、高齢化が進むことでも老人の孤独化が問題になってくるでしょう。

人同士のコミュニケーション不足はストレスを生むことが研究でもわかっています。

AI化が進むこれからの時代、散歩や会話の相手になるというのはとても大切な仕事になってくるかもしれません。

3.倫理的な調達(ES)責任者

AIは、倫理的問題・プライバシー・セキュリティーなどにおいて、個人や社会に意図せずして深刻な影響を与える潜在的なリスクを抱えています。

倫理、すなわち人間生活の秩序やモラル、道徳を重んじた判断をAIが行うことは難しいでしょう。

具体的な例を挙げると、ある企業で「優秀な人材を探し出すシステム」での採用を行ったところ、性別の中立性が働かず男性ばかりが選びだされる、Googleの画像認識で黒人をゴリラと認識してしまうといったことも過去に起きています。

企業が活動するうえで必要な調達に対し、こうした倫理的な問題が無いかを確認し、「問題ない」と担保する職業が今後必要となってくるでしょう。

4.サイバー都市アナリスト

サイバー都市アナリストは、都市が集めた膨大なデータのセキュリティ管理や統計を把握・分析することが主な仕事となります。

集めたデータはスムーズな電力供給やごみ収集など、インフラの整備に役立てます。

5.人間と機械の協働責任者

これから先の社会の発展には、人間と機械(AI)の協働が重要になってきます。

これまでご紹介してきたように、機械と人間ではそれぞれ得意とすることが異なります。

今後は、それらをうまく組み合わせて生産性を最大化する役割を担う仕事も出てくると考えられます。

6.人工知能(AI)事業開発責任者

現在AI化のデメリットとして考えられているのが、AIは「なぜそのような判断に至ったのか」という基準がブラックボックス化される傾向が強いということです。

例えばAIを活用したサービスが事故を起こした場合、責任を問われても「仔細はわかりかねますが、AIが判断したことですので」との説明では納得しがたいことは想像がつくでしょう。

今後は、事業のAIに関わる様々な面に責任を持つ存在が重要となるでしょう。

7.BYO(個人所有機器活用)ITファシリテーター

BYO(個人所有機器活用)ITファシリテーターの主な仕事は、企業の従業員が、会社所有のコンピューターだけではなく個人が所有するスマートフォン等でも業務ができるようセキュリティ対策を行うことです。

現在、個人所有のPCやスマートフォンを業務で利用するのは、紛失や盗難、情報漏洩など、セキュリティの観点から不可能であることが一般的です。

ほとんどの人が個人用にIT端末を所持しながら、スケジュール管理等は仕事とプライベートで端末を使い分けて行っているのです。

今後はこの煩わしさを解消し、よりストレスなく仕事が行えるよう、企業が扱う機密情報の安全性を確保するようデザインする仕事が生まれるでしょう。

8.エッジコンピューティング専門家

エッジコンピューティングとは街中の様々なセンサーがリアルタイム情報を瞬時にデジタル化して計算し、それをまた現実世界にフィードバックすることを指し、これ自体は1990年代から実用化されています。

エッジコンピューティングのわかりやすい例としては、ビデオ会議やネットショッピング時に目にする「あなたへのオススメ」等が挙げられます。

エッジコンピューティング専門家は、この時に生じる「100㎜秒(1/10秒)のタイムラグ」を縮める技術を持って、AI化する社会をより快適にする仕事です。

AIによる自動運転等、こうした技術が今再注目されており、エッジコンピューティング専門家は今後必要不可欠な職業となるでしょう。

9.フィットネス・コミットメント・カウンセラー

AI機器を活用して個々人のデータを記録・収集し、そこから分析したデータを元に健康状態・栄養状態などのアドバイスをするのがフィットネス・コミットメント・カウンセラーです。

健康の維持には栄養状態や運動量・筋肉量だけではなく、精神的な要素も大きく関わってきます。

AIで得た情報をただ伝えるだけではなく、アドバイスと同時にモチベーションの管理等も担っていくことが大切にな職業です。

10.AI支援医療技師

AIを活用して、病院が少ない土地でも遠隔操作で検査・診断ができるようにサポートを行うのがAI支援医療技師です。

この技術が向上し普及が進めば、すべての人がオンデマンドで医療サービスを利用でき、病院に足を運ぶ必要がなくなるかもしれません。

11.財務健全性コーチ

現在すでに「仮想通貨」インターネット上でやり取りされる資産が登場していますが、AIが発達すれば財政の分野でもデジタルな取引が主流となることが想定されます。

財務健全コーチは、新しい金融システムに精通し、財務に関する姿勢をコーチングすることが主な仕事です。

デジタル金融に関しての知識や技術の他に、クライアントの要望を聞きだす力や提案力も必要となるでしょう。

12.量子機械学習アナリスト

量子機械学習アナリストは、量子による情報処理で、これまでよりもより効率よくビジネスの問題解決をしていく専門家です。

AI技術の開発・普及によりAIの機械学習は無くてはならないものとなりましたが、現在、従来のコンピューターによる処理速度には限界が見えてきています。

この限界を覆すかもしれないと、現在注目を集め研究開発が進んでいるのが量子コンピューターです。

これまでのコンピューターとは全く別の原理で計算をする量子コンピューターは、従来のコンピューターの約1億倍の速度の処理能力を発揮するともいわれています。

AIの仕事での活用事例

AIに仕事が奪われるとの考え方もありますが、AIは本来、仕事の補助やサポートをすることにあります。

仕事の中でAIを活用し、共存できている例には以下のようなものがあります。

カスタマーサービスのチャットボット
帳票処理や在庫管理の自動化
CT検査やMRI画像のAI診断
建設・製造現場での異常検知や設備保全
ドローンによる農薬散布

この他、パン屋では「パンを自動識別するAI」の導入でレジスタッフの負担を削減・お客様の待ち時間短縮・パンの種類と値段を覚えるため新人教育にかける時間の削減などが叶っています。

また、1日に何百人と出入りする大企業の入退室管理をAI顔認証システムで管理し、不審者チェックや集計に書ける労力と人員の削減を実現している例もあります。

今後は、AIが得意とする分野はAIに代替し、人間はクリエイティブな発想で新たな仕事や価値を生み出し、それぞれのできないことを補い合いながら共存が進んでゆくでしょう。

AIと人間の仕事についてよくある質問

AIの進化が人間社会にもたらす影響はどんなものですか?

AIが雇用に与える影響が注目されてはいますが、「仕事を奪われる」というよりも「足りない労働力を補うためにAIを活用」していくことになるでしょう。

ただし、「対策していた人・AIを導入している企業」と「そうでない人・企業」では大きな差が生まれることは想像に難くありません。

AIに仕事を奪われない、AI化についていけないという事態を防ぐためにも、AIについて学んでスキルを磨き、備えておくことが大切です。

AIに仕事は奪われる? まとめ

AIに奪われる可能性のある仕事、奪われにくい仕事、AIの発達により新しく生まれる仕事についていくつかご紹介してきました。

この記事でご紹介したことが全てというわけでもなければ、この通りになるとも限りません。

しかし、AI化が進む社会で大切なのは、こうした情報を知り、AIについて学び、対策することです。

この記事が将来を見据えた働き方を考えるきっかけになれば幸いです。

この記事でわかること
  • クリエイティブな仕事はAIには難しい
  • 単純作業やルーティン化できるものはAIに代替していく
  • AIを活用し新たな仕事・価値を見出す力が必要
  • AI化に備えて学び、スキルを磨くことが大切
目次